Kotlinをインストールする(Windows10編)
最初に
GoogleがAndroid OSの標準開発言語に選んだJVM(Java仮想マシン)言語であるKotlinのインストール方法に関するメモ書きです。Javaの経験者がKotlinに取り組むことがおおく、インストールは自明のものとして扱われます。特にKotlinはインストール方法を詳しく書いてくれる人がいないような気がします。
そこで、私が記事にしてみました。あくまでも個人的な忘備録です。
この記事は執筆時の最新安定バージョンである1.1.4-3の場合のものです。バージョン番号1.1.4-3は適当に読み替えてください。
もっと利用者数が多いであろうWindows OSの場合の記事にしました。LinuxやMacOSXの場合はコマンドのみでもう少し、スマートになると思います。WindowsでもWindows PowerShellがWinkdows7から標準装備されてLinuxに負けないShellが提供されました。ですので、今後はLinuxのように開発環境の構築もクソがつくくらい冗長なWindowsのGUIを使わず、コマンドベースが主流になっていくものと思われます。ここでは環境変数の設定もコマンドベースのスマートな方法も紹介してみました。
Kotlinのダウンロード
GitHubのKotlin公開ページから最新のKotlinコンパイラーのインストーラーを入手します。
github.com
このページの下のほうに「Downloads」があります。ここから「kotlin-compiler-1.1.4-3.zip」をクリックし、ダウンロードします。ダウンロードしたZIPフォルダーを解凍したら「kotlinc」フォルダーがあります。これを例えば「C:\Dev\」フォルダに配置(コピー)します。以下、「C:\Dev\kotlinc」にKotlinコンパイラーを配置したものとして説明します。
環境変数にパスを通す
次に配置したKotlinコンパイラーへのパスを通します。以下の手順です。
設定ダイアログや設定パネルなどのGUIを使う場合
とても冗長なのでわたしはこの方法がきらいです。しかし、一般的には書籍などでもこちらの方法を紹介している場合がほとんどでなげかわしい限りです。もっとLinuxライクにWindows PowerShellを活用してほしいものです。
- スタートボタン → 「sysdm.cpl」と入力 または Windows PowerShellで「control sysdm.cpl」と入力します。
- 「詳細設定」タブ → [環境変数]ボタン クリック
- ユーザー環境変数の場合
- ログインする人があなただけなら、こちらをお勧めします。
- 「○○○ のユーザー環境変数」ブロック(上の方)で設定します
- システム環境変数の場合
- ログインする全ユーザーに適用されます
- 「システム環境変数」ブロック(下の方)で設定します
- [新規]ボタン → 「新しいユーザー変数」ダイアログ
- 変数名 → KOTLIN_HOME と入力
- 変数値 → C:\Dev\kotlinc と入力
- [OK]ボタン クリック
- まだPathがない場合(ユーザー環境変数の場合はこちらが多いかもしれません)
- [新規]ボタン → 「新しいユーザー変数」ダイアログ
- 変数名 → Path と入力
- 変数値 → %KOTLIN_HOME%\bin と入力
- [OK]ボタン クリック
- [新規]ボタン → 「新しいユーザー変数」ダイアログ
- すでにPathがある場合(システム環境変数の場合はこちらです)
- 「Path」クリック
- [編集]ボタン → 「環境変数名の編集」ダイアログ
- [新規]ボタン
- %KOTLIN_HOME%\bin と入力
- [新規]ボタン
- [OK]ボタン クリック
- [OK]ボタン クリック
- ユーザー環境変数の場合
- [OK]ボタン クリック
コマンドで設定する場合
こちらをつよくお勧めします。WindowsのGUIは冗長すぎるので、LinuxでShellが標準で使われているようにWindows PowerShellをもっとつかいましょう。
- Windows PowerShellを起動します
- スタートボタン → PowerShell と入力 → Windows PowerShell クリック → Windows PowerShell 起動
- ユーザー環境変数の場合(ログインする人があなただけなら、こちらをつよくお勧めします)
> setx KOTLIN_HOME "C:\Dev\kotlinc"
> setx PATH "%PATH%;%KOTLIN_HOME%\bin"
- システム環境変数の場合(ログインする全ユーザーに適用されます。)
> setx KOTLIN_HOME /M "C:\Dev\kotlinc"
> setx PATH /M "%PATH%;%KOTLIN_HOME%\bin"
動作確認の方法
- 現在起動中のWindows PowerShellを閉じます。
閉じないと上記コマンドの環境変数の設定が有効になりません。
- スタートボタン → PowerShell と入力 → Windows PowerShell クリック → Windows PowerShell 起動
> kotlinc -version
- 実行結果
以下のようにコンソールに表示されればインストールは成功しています。
info: kotlinc-jvm 1.1.4-3 (JRE 1.8.0_31-b13)
対話環境REPLでこんにちわ
本当に動いているかをもうすこし確認するために対話環境REPLを使って「こんにちわ。世界!」とコンソールに表示してみましょう。
- REPL環境に入ります。
> kotlinc
- 以下のように入力します。
>>> val あいさつ = "こんにちわ!世界" >>> println( あいさつ )
- 以下のようにコンソールに表示されます。
こんにちわ!世界
- REPLを抜けましょう。
>>> :quit
最後に~日本語プログラミングについて~
Java界隈では日本語(2バイトUnicode)を変数名に使うことに抵抗のある方が多いと思います。しかし、ことWindows OSでKotlinを試してみる場合には遊び感覚で日本語をつかうのもありかもしれません。すくなくともわたしは日本語をつかうことに躊躇はありません。
コメントを日本語でまめにいれるくらいなら、コメントのかわりにクラス名、オブジェクト名、関数名、メソッド名、変数名などを日本語にして日本人であるわたしやまわりの日本人への可読性を高める。そんな意図があります。
わたしはコメントがきらいです。コメントは美しいプログラムのソースコードの邪魔になるとさえおもっています。美しいプログラムの実装はコメントがなくても容易に意図を読み取れる。そう思っています。コメントレス日本語プログラミング。それがわたしのモットーです。